「千代田の春 江戸東京の正月あそび」ギャラリートーク開催終了

※緊急事態宣言発出に伴い、2Fギャラリー展示は中止となりました※
※ご来店を予定されていた皆様申し訳ございません※

 

2Fギャラリー小さなカルタ館で現在開催中の日本人形玩具学会さん主催「千代田の春 江戸東京の正月あそび」展のイベントとして、12月19日(土)ギャラリートークが行われました。

その時説明された品々、解説等を簡単にご紹介します。

 

◆凧(所蔵:林直輝)

凧は室町時代、中国から日本に伝わりました。江戸時代に浮世絵が流行し、美しい絵を空に飛ばせたい人が増えました。絵がよくみえるよう、長方形の凧が誕生しました。本展示では橋本禎造(はしもとていぞう)の作品を中心に紹介しています。

 

◆押絵羽子板(所蔵:林直輝)

押絵羽子板は文化・文政年間(1804~30)、江戸で誕生しました。性質上、江戸時代のものはほとんど残っていないのですが、本展示では貴重な現物を展示。他にも勝文斎(しょうぶんさい)、大和屋吟光(やまとやぎんこう)、吉田永光(よしだえいこう)といった、名工の作品をご覧頂けます。

 

◆馬のあそび(所蔵:葛西好文)

江戸時代の人にとって、馬は身近な生き物でした。子供たちは「春駒(はるこま)」という、馬の頭(作り物)がついた棒に跨って遊びました。明治の児童文学者・巌谷小波(いわやさざなみ)も馬が好きで、春駒の絵も描いており、その作品は本展示で紹介しております。大人が遊んだ玩具に「競馬香(けいばこう)」があります。香木を嗅いで、香りを当てたら1コマ進みます。上賀茂神社のくらべ馬を元にした遊びです。

 

◆百人一首(所蔵:奥野誠子)

江戸時代の百人一首は上の句と下の句で札が分かれていました。明治に入り、読札には上・下両方の句が、取札には下の句のみが書かれるようになりました。また、それまではくずし字で書かれていた文字が、楷書体になりました。これを「標準カルタ」と呼び、現代に至ります。

 

◆正月遊びのミニチュア(所蔵:川内由美子)

17世紀の「正月風俗図屏風復元」に描かれているお正月遊びを、ミニチュアで再現。貝覆いや琴など、当時の楽しい様子が伝わってきます。ミニチュアは雛道具で有名な七澤屋製。昭和期の正月遊びの様子も再現されています。漫画「サザエさん」にもあるように、家族でかるたとりをする時は、一番幼い子がとれる札は、その子のために残しておくのが暗黙のルールでした。

 

◆いろはかるた(所蔵:江橋崇)

いろはかるたは関西発祥の玩具です。それが江戸に伝わり、江戸独自のいろはかるたが誕生しました。
「犬も歩けば棒に当たる」で始まるので、通称「犬棒かるた」と呼ばれます。江戸の商家では子供が4~5歳になると、正月に「犬棒かるた」で遊び、文字教育の初めとしました。
「犬棒かるた」は昭和に入っても親しまれ、童画家・武井武雄も自身の絵を付けた「犬ぼうかるた」を制作しています。

 

◆ゲームカード(所蔵:江橋崇)

ゲームカードは江戸末期に誕生しました。最初は大人が遊ぶものでしたが、明治期に入ると、子どもの遊戯具になりました。英国のカードゲーム「ハッピーファミリー」を日本人向けに作った「家族合わせ」は特に流行しました。

 

「千代田の春 江戸東京の正月あそび」展は2021年1月24日(日)まで開催いたします。年始は1月5日(火)からご覧いただけるので、ぜひ今昔のお正月の違いや変わらない部分を感じてみてください。

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■千代田の春 江戸東京の正月あそび

日程:2020年12月4日(金)~2021年1月24日(日)
会場:奥野かるた店2F・ギャラリースペース
開館時間:12:00~17:00
入場料:無料
※毎月第2・第日曜日・毎週月曜日および12月31日~1月4日は休館となります。

主催:日本人形玩具学会

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